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需要があるかわかりませんが本文サンプルです。

オフ本からのネタバレとかはないです、多分。
ていうかむしろこっちが本編っつーか、


相変わらず中身がない←


続きでサンプル文。






※本文抜粋 最後台詞抜粋は適当にごっちゃ。

 

「…本当に狡いです、臨也さんは」
「…んー?どうしてかな?」

咎める幼顔に優しく答える振りをしながら、意地悪に応えるその口は相変わらずで。
どうしてこんな厄介な人を好きになってしまったのだろうと、帝人は何度目かわからない疑問を脳に投げては昇華させた。
その短い間にも臨也は、まるで猫のように帝人に擦り寄っては息が触れるくらいに近づいて、じゃれ付く。

「…っふ、だか、ら…!」

そういう所が狡いのだと言いたかった。
帝人が問い掛ける前に腕に閉じ込めて体温を感じさせて、匂いで囲んで彼の事しか考えられないように仕向けるその手も指先も。
往来で会う時には〝会いたかったよ〟なんて冗談じみた声音で言ってくるのに、二人きりの時には決して言わないそのいかにも大人を装った余裕さえも。
臨也は狡い。ズルくて、卑怯だ。でも帝人はそれがやはり嫌ではない。

大人だから?子供だから?

それとも臨也だから?

(…わからない)

つい先日まで。
想いと行動の始点は臨也から帝人に向かっていたはずだったのに、
今ではすっかり彼の掌の上にいて想いを向かわせているのは自分の方なのではないかと。

気持ちも、何もかも。

もしかしたら、最初から踊っていたのは自分だけだったのかもしれないなと幾分か理解していても
、帝人は臨也のその狡さに嵌まっていることにすら安心し始めている自身を否定できないでいた。

ひょっとすると自分には今まで気付く事の無かった特殊な性質が潜んでいたりするのだろうか、そんなことまで考えた。

けれど、彼女なんて夢の存在はおろか恋愛自体さえ充分には経験したことのない帝人だ。
生まれた感情が正解とも不正解とも判断する事はできなかったし、もし客観的に判断できたとしても、自身の感情に抗えるものなどないということはとっくに知っていた。
どちらかと言えば理論や正論に身を寄せていたはずの思考は傾き、与えられる確かな感覚と感情を拠り所としている。

「そういう風に…っ、いつもごまかして…!狡い、です…
答えて欲しいなら来いって言う癖に、結局教えてくれたことなんてないじゃないですか…っ」

「…そんなこと言うのはこの口?駄目だよ、帝人君」

「ちょ、ま…!ッんん…!」

元より眼前に迫っていた顔を押し退けることなど出来るわけもなく、帝人は引き寄せられた顔をそのままに重ねられる。

それは触れるだけの優しいものから、奪うような熱を込めて絡んでいくものに変わる。

駄目なのだ、こうされると。

本当はまだ臨也の胸中を疑う心が残っているのに、一瞬でもそこに優しさと見つけるともう駄目なのだ。
帝人の努めて冷静な脳は瞬時に臨也に支配されて、もうどうしようもなくなる。一時の感情でもいいから、臨也の思うままで居ようとする自分を止められない。

 


*************************************************

 

「あのさ、何の用?近所迷惑なんだけど。静ちゃんさぁ、今何時かわかってるの?
ついに時間感覚までなくなっちゃった?可哀想にねぇ」

「……………………」

臨也の顔を見ただけで怒りを抑えられないというように、その顔に青筋を浮かばせながらサングラス越しに睨みつけてくる平和島静雄。
そんな中静雄の様子がいつもと違うと思ったのは、口より手が先に出る静雄がそれをせずに耐えているのを見てとったからだ。

「…答えないの?何の用だって聞いてるんだけど。
人の家に最悪のタイミングで来ておいて、わざわざ俺が出て来たって言うのにそれはないんじゃない?それともアレかなぁ?」

「…臨也ぁ…テメエ、」

「あぁ、もしかしてやっと認めたの?今まで全部自分が悪かったって?
理解した?でも遅いね、遅すぎる。駄目だねぇそんなんじゃ今更すぎて反吐が出ちゃうよ」

「…違う」

握りしめている拳から、ミシミシと音が聞こえてくるかのようだった。
もし誰かの手を握っていたならば、そこから壊れる音が聞こえたかもしれない。

「なになに?聞っこえないなぁ。いつもみたいに、あぁ、そうだ。
さっきみたいに不快なほどに大きな声で言ってくれないと聞こえないね」

帝人との時間を邪魔された事に、臨也は自分でも計り知れない位の怒りを覚えていた。
臨也は一刻も早く静雄に去って欲しかった。互いを視界に入れるだけでも至極不快だということが、二人に共通しているただひとつの真実だった。

「違うって言ってるだろうがああ!!てめえ臨也あ!それ以上言ったら殺すぞノミ蟲野郎が…!!」

ノミ蟲とは流石に酷いんじゃないかなぁと呟きながら、臨也は一瞥の目線を怒り狂う獅子に送る。

「…何か用があるんじゃないの?早く言いなよ、俺は君みたいな取り立て屋と違って忙しいんだからさ」
「…っ、俺の仕事を馬鹿にすんじゃねえ…!
あとテメエが言うところの近所迷惑な時間帯に未成年の高校生連れ込んでるのはどこのどいつだよ、あァ!?」

静雄の言葉に臨也がほんの一瞬だけピクリと反応する。

どうして彼がそれを知っている?


「…連れ込んでるなんて、人聞きが悪いなぁ。
彼は自分から家に来たんだよ?それを何でよりによって君みたいな何の関係もない人間にとやかく言われなきゃいけないの?」


***************************************************

 

 

 

「帝人君は俺の…大切な子だからね」

 

 

(僕だって、少しは意地悪してみたっていいよね?)

 

 


「ほら、ぎゅ~~」

 

 

and more…
 

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